[JD]

7月下旬、女子大生は彼氏に別れを切り出したらしい。目の前で泣かれて帰れなくなり、とりあえずまた日を改めて、と言ってしまったとのこと。私は二度と会わないで欲しいと伝えた。翌日、女子大生のバイト先に彼氏登場。咄嗟に隠れて直接話すことはなかったらしい。別れないと思っていた。いつかその彼氏と結婚するんだろうと思っていた。「ついでに別れ話してきた。やっぱり持ち越しになっちゃったけど、ごめんね」というメールを読んで震えが止まらなかった。あんなに別れて欲しいと思っていたのに怖かった。まさかこの年になって男から女を寝取ることになるとは思わなかったし、自分のものにしてしまったら、いつかずっと先で今度は自分が寝取られる側だ、と思った。専業主婦が女子大生に恋するリリカルでファンシーな記録を、暗号のように切手の合間に挟んで誰かに聞いてもらいたかっただけなのに、私は此処にこんなことを書いていいのだろうか。8月、これまで二股していた女子大生は私だけの彼女になってしまった。経済力将来性皆無の専業主婦が行員に勝てたのはセックスだけだ。現実が痛い。